難消化性デキストリンとイヌリンは、どちらも水溶性食物繊維です。
厚生労働省のデータによると、日本人の食生活では1日に5gほど足りていない食物繊維。
特に、水溶性食物繊維が日本人は不足しがちと言われています。
そこで補給したい水溶性食物繊維ですが、水溶性食物繊維の大きな候補に難消化性デキストリンとイヌリンの二つがあります。
どんな違いがあって、どっちを選べばいいのだろうと思いますよね。
私もかつて同じ疑問にぶち当たったので、この疑問を解消すべく調査・体験したことをシェアしますね。
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難消化性デキストリンとイヌリンの違いを比較
難消化性デキストリンとイヌリンは、どちらも水溶性食物繊維で、その効果効能はほぼ同じです。
日本では、トクホ(特定保健用食品)の飲料に難消化性デキストリンが多く使われていることから知名度が高いです。
しかし、健康問題やサプリメントの先進国である欧米では、難消化性デキストリンよりイヌリンの方がメジャーとなっています。
(そこには、それなりの理由があります)
難消化性デキストリンとイヌリンの効果効能
難消化性デキストリン、イヌリンともに大きく分けると3つの悩みの解消に役立ちます。
- 血糖値
- 便秘
- ダイエット
血糖値への水溶性食物繊維の作用
糖質を摂取する前に、水溶性食物繊維を摂取することで、食後の急激な血糖値の上昇を抑えられることが分かっています。
便秘への水溶性食物繊維の作用
水溶性食物繊維を摂取することで、便を柔らかくできます。
便秘の原因にもよりますが、日本人の多くは水溶性食物繊維の不足が便秘の原因と考えられます。
ダイエットへの水溶性食物繊維の作用
食事前、食事中に水溶性食物繊維を摂取することで、脂肪の吸収がゆっくりになり、食後血中中性脂肪の上昇も緩やかになります。
内臓脂肪の増加を抑制できます。
これらのうち、トクホの飲料は、主に、水溶性食物繊維の血糖値への作用と脂肪への作用を謳っています。
ただし、この3つは難消化性デキストリン、イヌリンだけでなく、水溶性食物繊維の特徴なので違いではありません。
二つとも似た効果効能の中で、どこが違うのでしょうか?
難消化性デキストリンよりイヌリンの方が効果効能が高い?
実は、難消化性デキストリンにはなく、イヌリンだけにある特別な効果があります。
そのイヌリンの効果とは、
- インシュリンの分泌を抑制する
- 分解されるとフラクトオリゴ糖になって、善玉菌のエサになる
という二つの効果です。
インシュリンの分泌を抑制することは血糖値の上昇を抑制することに繋がります。
血糖値への効果を期待して水溶性食物繊維を摂取する方にとって、大きなプラス効果です。
また、善玉菌のエサになると善玉菌が増えて優位になるので、腸内環境を整えることに繋がります。
便秘に困っている方にとっては、こちらも大きなプラス効果です。
難消化性デキストリンとイヌリンの糖質量は?
難消化性デキストリンとイヌリンは、ともに水溶性食物繊維とは言っていますが、わずかながら糖質も含んでいます。
商品によって、多少数値が変わりますが、100gあたり、
- 難消化性デキストリンは、6〜12g
- イヌリンは、3〜6g
イヌリンの方が糖質の含有量は少ないですが、どちらも一日に5g程度摂取するとした場合には、
- 難消化性デキストリンの糖質 0.3~0.6g
- イヌリンの糖質 0.15~0.3g
と、かなり少ない量になるので、糖質を厳格にカットして、限りなくゼロに近くしている方以外は、それほど気にする量ではありません。
溶けやすさ、味の違い
難消化性デキストリンとイヌリンで、溶けやすいのは難消化性デキストリンです。
特にイヌリンは冷たい水には溶けにくいです。
逆に言えば、お湯であればそこまで気にならないと思います。(私はそうでした。)
味は、難消化性デキストリンはほぼ無味無臭。
イヌリンはかすかに甘みを感じます。
別に嫌な味ではないですし、むしろ美味しいくらいです。
使い方次第なのかなと思います。
ヨーグルトに混ぜて食べるとほんのりと甘みがして、私は美味しかったです。
飲み物に溶かす場合に、甘い飲み物が苦手な人がたまにいますけど、そういう人は好みじゃないかもしれません。
味は好みなので、一度試してみるといいと思います。
基本的には、どちらも味の面はほとんどの方が気にならないと思います。
イヌリンが溶けにくいのが気になる方は気になるでしょうね。
難消化性デキストリンとイヌリンの違いまとめ
- 血糖値の上昇を抑制
- 便秘解消
- 脂肪の吸収を抑制
水溶性食物繊維には、こうした効果があります。
イヌリンには、
- インシュリンの分泌抑制
- 腸内で善玉菌のエサになる
さらにプラス効果が期待できます。